千吉良 鯨磨
2019年 中途入社産業高校に通っていた経験などからプログラミングに関心を持つ。新卒では生命保険のIT子会社に就職。その後、独学でPythonを習得し、より多くの技術を学ぶべくMOSAアーキテクトへ転職した。現在はプロジェクトリーダーの傍ら、持ち前の探求心やコミュニケーション力を活かして社内の制度作りや教育にも挑戦。社長やメンバーたちからも頼られる存在となっている。
産業高校に通っていた経験などからプログラミングに関心を持つ。新卒では生命保険のIT子会社に就職。その後、独学でPythonを習得し、より多くの技術を学ぶべくMOSAアーキテクトへ転職した。現在はプロジェクトリーダーの傍ら、持ち前の探求心やコミュニケーション力を活かして社内の制度作りや教育にも挑戦。社長やメンバーたちからも頼られる存在となっている。
2023年、ある大規模プロジェクトの依頼がMOSAアーキテクトへ舞い込んだ。それは、全国に支店を持つメガバンクからの顧客管理システムの刷新依頼だった。住宅ローンの借り入れにあたり、銀行員と顧客間のチャット相談や案件の進捗管理を効率化するため、独自システムを開発したいとのオーダーだった。そのプロジェクトリーダーに抜擢されたのが千吉良だ。
入社以来その手腕を発揮し、バックエンドやフロントエンド、インフラ基盤と幅広い案件をこなしてきた千吉良だが、ここまで大きなプロジェクトのリーダーを担う経験はそう多くなかった。不安よりも好奇心が勝ったのだろう。2つ返事で引き受け、15名のメンバーと共に舞台の幕を上げた。
クライアントを含め総勢50~60名が参画したこのプロジェクトは、大きく2つのチームに分かれて発足した。仕様設計を含めフロントエンドをメインに担当する「業務設計チーム」と、千吉良がリーダーを務める「アプリ基盤チーム」だ。
しかし、開発が動き出して早々、雲行きが怪しくなる。開発時に渡されていた「実装機能一覧」と「顧客が実現したい理想」の間に大きな食い違いがあることが判明したのだ。本来作るべき機能が定まらないままプロジェクトが走り出していたことに、両チームとも騒然とする。やるべきことが定まらずプロジェクト全体が混乱する中、千吉良だけはどこかワクワクしていた。「難しい課題を試行錯誤するときこそ、自分の価値発揮をできる」と感じていたからだ。
「チームを横断して話し合いませんか?」
──千吉良は、プロジェクトリーダーという枠を越えて、新たな進め方の提示をした。持ち前の問題解決力やコミュニケーション力を活かし、業務設計チームとアプリ基盤チームの懸け橋となったのだ。
そこからは、両チームで幾度となく話し合いを重ねる日々。必要な機能を現場で整理するべく、千吉良は過去の経験をもとに、持ち得る知見を総動員させた。足りない技術は、社長に掛け合い急遽導入してもらったオンライン講座で習得(ちなみに今は会社制度として全員が使用できるようになっている)。技術をチームに普及していくことで、プロジェクトは再び息を吹き返す。ようやく、兆しが見えてきた──。
プロジェクトに参画して約1年。2024年現在も開発は続いているが、リリースの目途もようやく立ってきた。現在、千吉良は引き続き顧客管理システムの開発に従事しながら、新たに別プロジェクトである投資戦略プランニングシステムの開発にも取り組んでいる。一時は新規のプロジェクトに集中するために、既存のプロジェクトから離れようと考えた。そんな時、クライアントからかけられた「なんとか千吉良さんには残ってもらえないか」という言葉を今でも覚えている。顧客からの信頼を得られたと、心から嬉しく感じた一言だった。
一方で、自分だけが選ばれる状態では不十分だと考える。後進の育成にも力を入れ、自身と同じレベルの人材を育てることも千吉良の新たな目標となった。未知への挑戦に向かう足は、止まることを知らない。